一回の射精で、なぜ数億個もの精子が放出されるのか?

男性が一回の射精で放出する精子の数は、通前約一億五千万〜三億個といわれる。にもかかわらず、受精できるのはわずか一個だ。一方、卵子はわずか一個しかない。なぜ、精子は、必要な数の数億倍もの数が必要なのか?

これは、精子の行く手には、よほど強力な精子ではないと突破できない障害が幾重にも待ち受けているからだ。

最初の障害は、女性の子宮頸に存在する粘液である。この粘液には、排卵期はアルカリ性で、それ以外の時期は酸性という性質がある。

精子は酸性の環境では生きられない。例外はあるにせよ、精子はアルカリ性になる排卵期のみ、この粘液内を通過する権利がえられるのだ。で、運良く排卵期にあたっても、よほど運動能力がある精子でないと粘液のなかを泳ぎきることができない。通過できるのは1000~5000個の精子。99.999パーセントの精子はここで脱落してしまうのだ。

次なる障害は、子宮内膜で待ち受ける白血球だ。白血球にすれば、精子は闖入してきた異物。精子の一部は、ここで白血球にやられてしまう。

白血球の攻繫をかわし、最終目的地の卵管への入り口へ達したとしても、まだ安心できない。卵管の入り口にビッシリ生えた繊毛が精子を押し戾そうとするのだ。

こうしたすべての難関を突破し、卵管内部に進入できるのは、わずか一個程度の精子。このような厳しい現実を思えば、一個の卵子に対して一億五千万〜三億個の精子というのは、パランスのとれた数字なのである。

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